院長メッセージ

今年も小児糖尿病サマーキャンプに行ってきました!

院長メッセージ
2018年09月04日

1型糖尿病は大変希な病気で、年間発症率は10万人に1~2人と言われています。特に小児期に1型糖尿病を発症されると患者さんやご家族は不安でいっぱいです。同じ病気をもつ仲間や先輩たちと出会うことで、「自分ひとりではない」という安心感を得ることが出来、次第に糖尿病を受け入れ成長していきます。

小児糖尿病サマーキャンプは糖尿病を正しく理解し、より良い自己コントロールをするために必要なことを学ぶ場でもあり、将来自立することを主な目的としています。また、山登りや、ハイキング、キャンプファイヤーなどのレクリエーションや、話し合いの機会を通じて友人を作る場でもあります。

 

(福岡ヤングホークス 50周年)

福岡のサマーキャンプは、1969年に開始されました。第3回目か4回目に、当時参加した子どもたちによって“ヤングホークス”と命名されたと聞いています。

ヤンホ旗

ヤングホークスは7泊8日と日本で一番長いキャンプです。キャンプを始められた仲村吉弘先生は、常々“将来子どもたちが自立するため”にキャンプをしていると言われていました。その精神は今でも受け継がれています。参加者は、患者50~55名(幼稚園児から高校生まで)、学生ボランティア35名(ヘルパーと呼びます)、食事を作ってくれる栄養科の大学生20名、医師、看護師約10名と120名以上の大所帯です。8日間のキャンプでは、毎朝起床後にラジオ体操、掃除、午前中は毎日糖尿病教室(中学生以上は講師として年下の子どもの教室を担当する)、その他の時間は、花火大会、クッキング(カレー、クッキー作り)、バーベキュー、運動会、山登り、ドッチボール大会、ハイキング、ディスコなど毎日楽しい行事が目白押しです。

ラジオ体操山登り 雑巾がけスイカ割りキャンプファイヤーヘルパーたち

夜になると、同じ学年の子どもたち数人で話し合う時間(Talking Group)があり、病気のこと、学校でのこと、子どもたちが本音で悩みなどを話します。毎日4回のインスリン注射、またはインスリンポンプでの注射は自分の血糖を測り、医師と相談してインスリン量を決めます。こうして8日間のキャンプが終わる頃には、精神的に大きく成長した子どもの姿に変わっていくのです。そしてそんな子どもたちが、大学生になるとヘルパーとしてキャンプを企画し、ヤングホークスは年々引き継がれています。

私はこのキャンプに11回目(16歳高校生))のときから参加しています。病気を受け入れ、将来医師になろうと決めたのは、このキャンプに参加したのが大きなきっかけでした。

医学部の学生の頃は、4年間ヘルパーとしてキャンプを企画、運営しました。

医師になってからは毎年医療班で参加しています。8日間のキャンプでは子供たちと一緒に遊んで、勉強して、楽しんで、子どもたちからたくさんの元気をもらっています。

キャンプに参加したこどもたちは、キャンプで出来ることが増えます。今年は、4歳のSちゃんが、自分でインスリンの注射が出来るようになりました。帰ってからも幼稚園で昼食の前に自分できちんとしているようです。Sちゃん 初めての注射

小学4年生のYちゃんは、インスリンポンプの針刺しが出来ず、お母さんにしてもらっていました。自分ですることを目標にキャンプに参加し、1時間半かかりましたが自分で出来ました。子どもたちにとって、この経験を積み重ねることが自信になっていくのです。

1年後に心も体も着実に成長している姿を見るのがとても楽しみです。

まあちゃん賞前田先生おまけの写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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