センター長メッセージ

1型糖尿病のSGLT2阻害薬使用に関するリスク管理

センター長メッセージ
2019年02月07日

1型糖尿病の方に一部のSGLT2阻害薬が適応追加になりましたがケトアシドーシスの危険性が懸念されています。リスク管理に関する国際コンセンサスが出ています(ADA会員のみ閲覧可で英語)ので要点だけご紹介いたします。

血糖値が正常でも、インスリン量が減ることによってケトン体の産生が過剰になりケトアシドーシスの危険性はあります。
つまり、ケトン体を測らないと気づきようがないのでケトン体の測定を推奨しています。
ケトン体はリブレでもケトン体測定用電極を購入すれば測定可能です。
高価ですが命には代えられませんので持っておかれたほうがいいです。
血中ケトン体が0.6nmol/Lを超える場合や、尿ケトンが+以上の場合は何らかの対処(糖質摂取とインスリン追加、脱水補正など)を必要とすると考えてください。

また、ケトアシドーシスの危険性が高いのは以下の場合があります。
◆ポンプ使用中の方(ルートトラブルがあっても血糖が上がらないため)
◆基礎インスリンが10-20%以上減る方
◆糖質制限
◆アルコール多飲
◆違法ドラッグ(さすが国際的…)
◆脱水
◆シックデイ(感染症、嘔吐症など)

1型のSGLT2阻害薬使用に関して、適格者についての院内基準を作成しておりましたがほとんど同じでびっくりしました…

南昌江内科クリニック「1型糖尿病患者へのSGLT-2阻害薬処方基準」

1. BMI:22以上
2. 年齢:20歳以上、75歳未満(妊娠可能年齢の女性は原則除外)
3. インスリンの打ち忘れがない。
4. 血糖測定(SMBG、CGM)を怠っていない。
5. 糖質制限を行っていない。
6. 糖尿病性ケトアシドーシスの症状および予防法が十分に理解できている。
7. 体調不良時はケトン体チェックあるいは速やかな来院ができる。
※リブレ使用者には薬局でケトン体電極自費購入を勧める。
8. 認知症がない。
9. アルコール多飲、違法ドラッグの使用がない。(←国際コンセンサスから追加)

※長時間の有酸素運動をされる際にも糖質必要量を充たせずにアシドーシスの危険性が高まるので中止したほうが望ましいです!

Danne T, Garg S, Peters AL, et al. International Consensus on Risk Management of Diabetic Ketoacidosis in Patients with Type 1 Diabetes Treated with Sodium-Glucose Cotransporter (SGLT) Inhibitors. Diabetes Care. February 2019:dc182316. doi:10.2337/dc18-2316

↓私のSGLT2阻害薬内服開始10日後の血中ケトン値です。
0.6以上でやはり高め^^; 尿ケトンも2+でした。症状はないです。

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