院長メッセージ

サマーキャンプ 2005.08.30

院長メッセージ
2005年08月30日

毎年恒例の”小児糖尿病サマーキャンプ”、福岡では今年で第37回目になります。8月17日~24日の7泊8日、夜須高原に行ってきました。
 
 私が始めて参加したのは、第11回目で16歳の夏でした。それから26年になりますが、夜須高原での8日間はずっと変わっていません。
 キャンプの参加者は4歳~高校生、運営の中心は自主的に参加してくれた大学生(ヘルパーと呼んでいます)、台所は中村学園大学の栄養士の卵の学生さんたちが美味しい料理を担当してくれます。そして数名の医師団です。8日間は皆が家族です。子供たちは”ちゃん”や”くん”をつけずに名前のままで呼びます。大学生やドクターはニックネーム、責任者の仲村先生は”おじいちゃん”、そして私は、ずっと昔から”まさえねえちゃん”のままです。(子供たちは素直に?そう呼んでくれます)

 キャンプは、花火大会、クッキー作り、運動会、山登り、ハイキング、バーベキュー、デイスコ大会、キャンプファイヤーと連日行事が目白押しです。
また、毎日午前中に糖尿病教室があり、ここで子供たちは糖尿病の勉強をします。フリーの時間にはプールに入ったり、体育館でドッチボールをしたり、じっとしている時間はありません。そして毎晩”TG(Talking Group)”という時間帯に、同じ年頃の子供たちだけで話し合いをします。ここでの話は一切外には漏らさないという約束なので何を話しているかはわかりませんが、同じ病気を持った仲間同士、家庭でも学校でも話せない何かを、心を開いて話しているのでしょう。”TGで成長した”という子供たちがたくさんいます。

 たった8日間ですが、子供たちはインスリン注射ができるようになったり、食べられなかった野菜が食べられるようになったり、友達を作ったり喧嘩をしたり、悩んだり泣いたり、いろいろな経験をして大きくなっていきます。
最後の夜のキャンプファイヤーでは、たいまつを持って一人一人、最後の言葉を述べます。
一人の中学生が「私はこのキャンプに参加して、糖尿病でよかったと思いました。大切な仲間ができて本当によかったです。」涙を流しながらの言葉でした。

 最後に皆で、30年以上歌い続けられているテーマソングを歌いました。
「私に人生と言えるものがあるなら、あなたと過ごしたあの夏の日々。。。。。。。」

 私に元気を与えてくれる子供たちとヘルパーの皆、そしてこのキャンプを37年間続けてくれているおじいちゃん、本当にありがとう。来年も、心も体も大きくなった皆と、またここで会えるのを楽しみにしています!

 子供達との思い出に浸りながら、夜須高原を下る途中、夏の終わりを告げる赤とんぼが名残惜しそうに飛んでいました。

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