院長メッセージ

“まさか”の坂 2006.11.26

院長メッセージ
2006年11月26日

11月になり、急に寒くなった日の早朝の出来事でした。
 なんとなくいやな臭いで目を覚ましました。すぐに臭いのするリビングに行くと、真っ赤な炎が1mくらい燃え上がっているのです!!! 一瞬何が起きているのかわかりませんでしたが、何とかしなければと、とっさに目の前にあったやかんで、そのまま2~3杯水をかけました。炎が消えると同時に、今度は煙が上がって、警報機がすごい音を立ててなり始めました。そこにあったのは3分の1くらい原型を残して解けた加湿器でした。
何がなんだかわからず、悪夢でも見ているのではないかと何度も思いましたが現実でした。とにかく119番。朝4時すぎ、まだ真っ暗な中をけたたましいサイレンとともに消防車が到着しました。すでに火は消えていましたが、消防隊の方から「前髪がチリジリになっていますよ。かなり火があがっていたのですね。よく一人で消せましたね。」と言われ、ようやく我にかえる事ができました。
 
 数日は煙の臭いで夜中に何度も目が覚めました。右手と両足に軽いやけどを負いましたが、この程度で済んでよかったと思います。いつもは寝室に置く加湿器をその日に限ってリビングに置いていました。幸い周りに燃えやすいものがなかったので大事には至らなかったのですが、もし加湿器を置く場所が違っていたら、もし目が覚めなかったらと考えるとゾッとします。発火した加湿器は原因を調べるために消防隊の方が持って帰られましたが、最近電気製品からの発火が多いそうです。皆さんもくれぐれも電源のつけっぱなしには気をつけてくださいね。

 事態が終わって、すぐに父の遺影の前で手を合わせました。
「この程度で済んだのはきっとお父さんが見守ってくれたんだよね。ありがとう。」
そういえば、生前に父が話してくれたことを思い出しました。「人生には3つの坂があるんだよ。上り坂、下り坂、そして“まさか”の坂。この“まさか”の事態が起こったときにきちんと冷静に対応できるよう心がけておきなさい。」と。
 
 最近、父の言葉が身にしみて感じるようになってきました。年齢を重ねていくといろいろな経験をするものですが、こんな経験は二度としたくないですね。

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