院長メッセージ

”雪だるま” 2005.01.17

院長メッセージ
2005年01月17日

2004年12月31日、福岡ではめずらしく大晦日に雪が積もりました。休日だったので、いつもより遅く起きた私は、一面の銀世界に大喜び。

昼頃にクリニックに行くと、玄関の前に大きくてかわいい”雪だるま”がありました。近所の子供が嬉しくて作ってくれたのだろうと思っていましたが、なぜ私のクリニックの前に?と疑問をもちながら年を越しました。

先日、入院になった患者さんを紹介先の病院にお見舞いに行きました。
その方は72歳の糖尿病の男性。昨年から咳が続き、胸部レントゲンで肺に影が見つかったため、専門の病院を紹介し入院。精密検査をおこなったところ”肺癌”と診断されました。”咳”以外には自覚症状がないため、年が明けてから治療を始められるとのことで年末年始は自宅に外泊されていました。

ちょうど外泊中の12月31日の朝、「起きたら雪が積もっていたので、いいアイデアが思い浮かんで、暗いうちに家を出たんですよ。40分歩いて先生のクリニックまで行って、一人でせっせと雪だるまを作ったんですよ。ほら、よくできているでしょ?」と嬉しそうに写真を見せてくださいました。
「こんなにいいチャンスはもう2度とないかもしれないからね。」と。。。

雪だるまの犯人がSさんだったなんて。。。
私はこみ上げてくる涙を必死にこらえながらその写真を見ました。

Sさん、1日でも長生きしてくださいね。
この写真、私の一生の宝物です。

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