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院長メッセージ
雨と風のマラソン大会 2006.05.13
まだ肌寒い3月中旬、少しお休みをいただいてBig Island(ハワイ島)に行ってきました。世界で一番綺麗な景色を満喫できるという“ヒロマラソン”に参加するためです。
ヒロという街はハワイ島の東に位置し、開拓の歴史のある街と聞いていましたが、実際は雨が多いためか、緑がとても綺麗な静かな街で、リゾート地として発展している西のコナとは対照的でした。
今回はマラソンと言うよりむしろ景色を楽しみたかったのです。渓谷や滝などの綺麗な景色を期待していましたが、マラソン前夜から大雨。雨と風の中、15分遅れて始まったマラソンは、参加者200人程度。2万8千人のホノルルマラソンと比べると本当に小さな小さなマラソン大会で、地元の参加者が多く日本人や海外の参加者はわずかでした。
朝6時過ぎ真っ暗な中、ピストルの音も花火もない静かなスタートでした。雨のためかとても寒く、かぶったビニールを脱げません。ずぶ濡れで、水溜りと言うよりも小川の中を走っている状態が続きます。始めの10kmくらいは、森林の中のアップダウンの激しい道でした。顔を上げると雨が目に入りそうで、周囲の景色を見る余裕もありませんでした。時々小雨になった時、周りを見ても“滝”なのか、雨による“濁流”なのかわからない状態でした。参加者も少ないので、前後のランナーとの距離もだんだん遠くなってきました。それでも、3~4km毎に地元のボランティアの子ども達が、水やスポーツドリンクを配ってくれたり、「Keep it up!」とか「Good Job!」と応援してくれました。地元の警察官の方もわずかな参加者のために交通整理をしてくれていました。雨の中、私達のためにじっと立っているほうがずっと大変だったと思います。ハーフを過ぎたところで、ようやく一緒に参加した仲間とすれ違いました。悪天候の中、お互いかなり疲れた顔でしたが、数時間ぶりに会えた喜びは大きく、ここでまた元気をもらいました。
長い長い海岸線は、お天気だったらさぞ綺麗だろうと思いながら、ようやくゴールが近づいてきましたが、その時またスコールのような雨。ゴールした時は涙と雨が入り混じっていましたが、「こんな苛酷な条件でも完走できた!」という喜びもまたひとしおでした。
5回目のフルマラソンは予測もしていなかった悪天候でしたが、“雨と風のマラソン大会”もそう経験できるものではないでしょう。貴重な貴重な体験でした。
南昌江内科クリニック
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