第19回日本先進糖尿病治療研究会 優秀賞を受賞いたしました!

センター長メッセージ
2019年11月03日

11月2日、3日に開催されました第19回日本先進糖尿病治療研究会・第17回1型糖尿病研究会[合同開催]に南院長、堤先生とともに参加して参りました。
昨年は台風の直撃により大変残念ながら2日目の開催が流れてしまいましたが、今年はお天気にも恵まれて絶好のお勉強日和(?)でした。

初日は先進糖尿病治療研究会で、最先端の糖尿病治療について非常に熱い議論が交わされ、大いに盛り上がりました。
私も持続グルコースモニタリングにより評価した血糖変動と、合併症の関係について発表して参りました。
糖尿病学会でも同じ演題を報告して参りましたが、本学会は同じ分野のエキスパートが軒並み勢揃いされる会とあって緊張感もひとしおでした。
南先生と当院スタッフが20年間培ってこられたデータから導かれた新しい合併症予測モデルですので、幸い会場からは好意的に受け取っていただけたという手応えはございました。

その夕、懇親会が催され、私と診療後に駆けつけてくださった南先生も予定通り参加させていただきました。
特に、今回から学会が優秀賞の選出を行うとのことで(だいたいその際には受賞者に耳打ちされているのが常なのですが私には何の打診もありませんでしたので)、どなたが受賞されるのかと楽しみにしておりました。
学会長の浦上先生からやけにタメのある発表があったときには、まさかと思っておりましたのでおそらくコンマ数秒ですが理解に時間がかかりました(^^;
大きな拍手の中、頭が真っ白になりましたが、ふらふらと登壇した頃には正気に戻りました。
はっと我に返り、受賞式ののちにコメントを求められたのでひとしきり各方面の謝辞を述べた(はず…)後に、やはり南先生とスタッフへの感謝がこみ上げて参りました。

そののちにSNSで多くの方からの祝辞を頂戴しながら、ああ100年前※からここにきっとつながってきたことなんだなと、患者さん一人一人の人生が糖尿病医療の進歩の礎となっているであろう事実をかみしめております。
※ジョスリン糖尿病学の初版、インスリン発見からおよそ100年

これからも、100年の思いを乗せた診療と研究に没頭させていただきます!
75210654_2368022586658789_7756758842641219584_o  74783643_2368022783325436_4391685479855030272_o

懇親会での(サプライズ)受賞式
右は会長の浦上達彦先生(日本大学医学部 小児科学系 小児科学分野)
※南先生には知らされていたそうです(>_<)

76184074_2368022969992084_1487220271206105088_o

DT1D(Doctors with Type 1 Diabetes)とともに記念撮影

1型糖尿病のSGLT2阻害薬使用に関するリスク管理(2)

センター長メッセージ
2019年11月03日

10月26日に佐賀で開催された第57回日本糖尿病学会九州地方会のランチョンセミナーで「1型糖尿病と合併症 ~SGLT2阻害薬への期待と注意点~」について講演をいたしました。
200余名の方に聴講いただき、1型診療のリスク管理の一助になればと思います。

その中でSTOP-DKAプロトコルというカナダで使われている糖尿病性ケトアシドーシスの予防と治療に関するガイドラインをご紹介いたしました。
海外のガイドラインとはいえ、米国で使われているSTICHプロトコルとあわせてとても有用ですのでこちらでもご紹介いたします。
※和訳版がなかったので翻訳しています。

ご参考になれば幸いに存じます。

スライド1 スライド2

※画像の2次利用は構いませんが元文献の引用は必要です。
Goldenberg, R. M., Gilbert, J. D., Hramiak, I. M., Woo, V. C. & Zinman, B. SGLT inhibitors in type 1 diabetes: place in therapy and a risk mitigation strategy for preventing diabetic ketoacidosis ‐ the STOP DKA Protocol. Diabetes, Obes. Metab. dom.13811 (2019). doi:10.1111/dom.13811

400名収容可能なメインホールで講演させていただきました。
74534324_2552291221528101_8119616792411766784_o

1型糖尿病のSGLT2阻害薬使用に関するリスク管理

センター長メッセージ
2019年02月07日

1型糖尿病の方に一部のSGLT2阻害薬が適応追加になりましたがケトアシドーシスの危険性が懸念されています。リスク管理に関する国際コンセンサスが出ています(ADA会員のみ閲覧可で英語)ので要点だけご紹介いたします。

血糖値が正常でも、インスリン量が減ることによってケトン体の産生が過剰になりケトアシドーシスの危険性はあります。
つまり、ケトン体を測らないと気づきようがないのでケトン体の測定を推奨しています。
ケトン体はリブレでもケトン体測定用電極を購入すれば測定可能です。
高価ですが命には代えられませんので持っておかれたほうがいいです。
血中ケトン体が0.6mmol/Lを超える場合や、尿ケトンが+以上の場合は何らかの対処(糖質摂取とインスリン追加、脱水補正など)を必要とすると考えてください。

また、ケトアシドーシスの危険性が高いのは以下の場合があります。
◆ポンプ使用中の方(ルートトラブルがあっても血糖が上がらないため)
◆基礎インスリンが10-20%以上減る方
◆糖質制限
◆アルコール多飲
◆違法ドラッグ(さすが国際的…)
◆脱水
◆シックデイ(感染症、嘔吐症など)

1型のSGLT2阻害薬使用に関して、適格者についての院内基準を作成しておりましたがほとんど同じでびっくりしました…

南昌江内科クリニック「1型糖尿病患者へのSGLT-2阻害薬処方基準」

1. BMI:22以上
2. 年齢:20歳以上、75歳未満(妊娠可能年齢の女性は原則除外)
3. インスリンの打ち忘れがない。
4. 血糖測定(SMBG、CGM)を怠っていない。
5. 糖質制限を行っていない。
6. 糖尿病性ケトアシドーシスの症状および予防法が十分に理解できている。
7. 体調不良時はケトン体チェックあるいは速やかな来院ができる。
※リブレ使用者には薬局でケトン体電極自費購入を勧める。
8. 認知症がない。
9. アルコール多飲、違法ドラッグの使用がない。(←国際コンセンサスから追加)

※長時間の有酸素運動をされる際にも糖質必要量を充たせずにアシドーシスの危険性が高まるので中止したほうが望ましいです!

Danne T, Garg S, Peters AL, et al. International Consensus on Risk Management of Diabetic Ketoacidosis in Patients with Type 1 Diabetes Treated with Sodium-Glucose Cotransporter (SGLT) Inhibitors. Diabetes Care. February 2019:dc182316. doi:10.2337/dc18-2316

↓私のSGLT2阻害薬内服開始10日後の血中ケトン値です。
0.6以上でやはり高め^^; 尿ケトンも2+でした。症状はないです。

20190207_134458

訂正とお詫び:ケトン体の単位がnmol/Lになっておりましたのでmmol/Lに修正いたしました。
千葉のY先生ご指摘誠にありがとうございました!

〒815-0071 福岡県福岡市南区平和1-4-6
TEL.092-534-1000・FAX.092-534-1001

Copyright © 2014 clinic masae minami. All rights reserved.