センター長メッセージ

命をいただく

センター長メッセージ
2017年10月07日

朝晩はずいぶんと冷え込んでまいりましたがいかがおすごしでしょうか。
農作物も実りの季節を迎えておりますね。

先日も実家から名産の栗が届いたところです。

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「食欲の秋」…みなさんにとってはもしかすると耳の痛いことばでしょうか?
「天高く馬肥ゆる秋」とも申します。
食べる側にとっては、寒くひもじい冬を迎える前に生き延びるエネルギーをしっかりと蓄えておかなければなりません。
その時手に入る旬のものをできるだけ新鮮な状態でいただくことは、生きているものにとっては当たり前のことです。

そんな厳しい生命の営みが、100年にも満たない環境変化で変わるはずもありません。
人間だけが、高次の精神力でその食欲を押さえつけることができると考えるのはやや傲慢な気がいたします。

でも、少しだけ、こころのどこかに留めておいてほしいことがあります。
私たちが日常食べているものは、例外なくかつて「生命であったもの」です。

 

命を粗末にしていませんか?

生きるために、そんなに多くの命を奪う必要がありますか?

 

私は農業や畜産業の盛んな田舎で生まれ育ったものですから、ときおり疑問をいだくのです。

たとえば米づくり…
稲の間に紛れ込んだ、ひえ・きびなどの雑穀を雑草として目の敵にする。
磨き上げるように精米してかがやく白米にする。

たとえば野菜づくり…
曲がったり、かたちの悪い野菜は出荷しない。
ハウスで重油をじゃんじゃん燃やし、季節感のない野菜を店頭にならべる。

たとえば果物づくり…
間引きして一つの実に糖分を集中させる。
濃縮還元して飲みやすいジュースにする。

そして、パックに入っている肉塊や切り身の魚…
もとはどのような姿形で、どこで生まれ育ったのか、どのようにして命を終えたのか、ご存知ですか?

過度の加工の末に元の食材がまったく分からないものもありますね。
真っ白なお砂糖や小麦粉、マーガリン(ショートニング)、化学調味料(アミノ酸類)…

いまさら現代的な食文化を捨てて原始時代にもどりなさいなどと申し上げたいのではありません。
旬のものがあふれているこの秋に、土や海や空を思い出させてくれる、命の豊かさを感じさせてくれる、そんな食べものを楽しむことは、そう後ろめたいことではないのではないでしょうか?

古代より、日本各地で、感謝の気持ちをあらわすさまざまな秋祭りや神事がとり行われる時期でもあります。
命をいただく重みを忘れないようにしたいものです。

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-実家の無農薬野菜たち

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-暑い空気と土のにおい…触って、重さを知る。

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